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解体(買いたい・飼いたい)新書!第1弾 スズキ『チョイノリ』(エンジン編)



何気ない生活の足であるバイクを分解しながら、構造を見てみようという新企画!メカに興味が無くても・・・やっぱしダメかな?(^_^;)

いやいや! わかりやすくメンテナンスの話を交えて御紹介します!
同型車種愛用者は必見?ですね(^o^)/

 『チョイノリ』って、どんなバイクなの?

その名の通り、近距離の移動に機能を絞り、軽量化・簡素化しながら低価格を実現。
(事前の市場調査で原付の平均的移動は1日2kmとわかり、必要最低限で製品化)
2003年2月11日 発売 税抜き59.800円!低価格ながら静岡県浜松での国内生産。

◎ 従来の標準スクーターに比べて樹脂部品等で約4割軽量化・部品点数で約3割減 ボルト、ナット締付け箇所は約5割減を達成

◎ 39kg(乾燥重量=燃料、オイル等を含まない車両自体の自重)の軽量バイク

◎ カタログ上の燃費は 76km/ℓ の低燃費

◎ 「シンプルな機能美と曲線を活かしたキュートなイメージを追及した新コンセプト」というだけあってハートフルぅ・・・・・・キャワユす!!発売当時は6色(白・黒・水色・黄・燈・肌)でしたが、後に(桃・黄緑)が追加される。追加の際に肌色はカタログから消滅!

◎ 同型バリエーションの、カゴ付や、セル付、SS等を合わせ、約10万台生産されました。(その後は改正された排気ガス規制対応困難になり、2007年8月末で生産は終了しています)

 『チョイノリ』って、こんなバイクです!

◎ シート下のメットインスペースはありません!(収納スペースは無し)(脱いだヘルメットは、ハンドルに付けたヘルメットホルダー(別売り)でロックします。

◎ 後輪サスペンションは無し、前輪用もチョー短いストロークです(約10mm?)

◎ 2馬力のパワーはやはり坂道等では非力です(発進はなかなか力強いけど・・・)(道を譲ってもらっても、なかなか到達出来ない悲しさ…交通整理のオジサンに早く行けよ!という顔もされます?)(体重が重い人が登坂したら・・・鬼の遅さながら20Km/h越は死守?で頑張るエンジン)

◎ 走行中のエンジン振動も多目で、なかなか気持ちのいいものです?(35Km/h 以上は振動が多く、ゆっくり行こうという気持ちになります)

◎ 法定速度を一番守れる(気持ち)安全なバイクだと思います。


● それでは実物を見てみよう!

 

・ 初期型にはメーターの距離計もありません。
・・・その後、早い時期に 距離計が付いたタイプに変更になりました。
(中古車は何Km走ったのか走行距離不明です)

 

 

 

 

・ シートの下にはオイル交換時期を促すシールが貼ってあります。(何Km走ったらエンジンオイル交換という概念はあるが 距離計が無いので定期的(期間)で管理します)

・ バッテリーも搭載していません。警音機(ホーン)は省電力タイプのガチョウみたいな音(ホーンを鳴らしながらアクセルでエンジン回転を上げると音色が道交法抵触的に? 変化して面白い)

 

 


・ 初期型はコストダウンが目的でキックペダルはプレスで加工したものでしたが、変形してしまうらしくすぐに鋳物で出来た通常のタイプに変更されました。

・ 走行中の素敵なエンジン振動でキャブのドレーン(ガス抜き)が緩んでしまう物も 多かったので中期から末期にかけてドレーンの無いキャブに変更されました。


・ ドライブチェーンは415という細いサイズで、価格も1050円とチャリより安い? (通常、原付は420が多い)

 

● 実際に解体してみよう!

◎ 今回のドナーはエンジン不動(キック時に異音大)のバイクを使いました。

◎ エンジンは小さいし、ボルト5本でとまって いるだけなので比較的、簡単に脱着が出来ます。
  

◎ 事前にキャブレター、マフラー、配線やケーブル類を 外しておきます。

◎ エンジンを外した車体は軽いので一人でも楽々です。

◎ エンジンは自然空冷式(走行風で熱を冷やす) なのでカバー等も少なく小さめです。
通常の空冷スクーターは強制空冷で、 回したファンの風で冷却します。
(炎天下の中、車両停止状態でエンジンが高回転を続けたら? =オーバーヒートするでしょうね)

 

◎ エンジンの左側には変速を司る駆動系の部品があります。
駆動系は通常の原付スクーターと同じVベルト可変プーリーを使用しています。(現在は殆どのスクーターがこの機構)
低速の力強さの秘密はこのよく出来た機構のおかげです。

 

◎ エンジン右側は電気系が入っています。点火や発電といった装置がこれです。

◎ エンジン構造はOHV型です。昔の車やバイクでは使用して いましたが最近では珍しい構造です。
カムシャフトがエンジン下部にあり、プッシュロッドで駆動 エンジン上部のバルブ(弁)を駆動します。

◎ シリンダーヘッド(バルブ含む)を外す。シリンダーヘッドを外すとピストンがみえてきました。
真っ黒なカーボンがこびりついています。 シリンダーは特殊メッキが施されライナーは 入っていません。

 

◎ カムは何と!プラスティック製です!たくさん走ると、正直言ってカムが減ります。
そのままだとエンジン不調の原因となります。

◎ 金属の網見たいなのがブローバイフィルターです。
ブローバイとは簡単に言うとエンジンの息抜き穴といったトコでしょうか?
このフィルターでオイルの逆流を防止しています。

◎ このエンジンにはオイルポンプがありません。
エンジン内部の潤滑はコンロッド下部についた 爪(ツメ)で下に溜まっているオイルを掻き揚げ 潤滑しています。

◎ エンジン部品は「下の画像一番左」の画像の様に構成されています。
シリンダーはエンジン上部ケースと一体になっています。
また、エンジンは通常の原付と違い、逆回転しています。 これは、アイドルギヤを無くす(コストダウン)為です。

◎ 分解バラバラになったところで折り返し地点です。今回はクランクシャフト・アッシと、ピストンリンク等を交換します。

◎ 折り返し点通過し? 組み立て開始です。

◎ 組み付け時には、クランクとカムの位置関係を正確にするために合いマーク確認します。

.

◎ さらに、もう一つ、点火時期を正確にするために合いマーク確認します。

◎ ボールペンと比べるとプッシュロッドの細さがわかります。かなり細い!    
このプッシュロッドには向きがあって、(見た目、同じ?・・・端部の加工が違うそうです)
マークがあるほうがシリンダーヘッド側になります。  

◎ エンジンが圧縮上死点までクランクシャフトを回して、タペット(弁すき間)を調整します。(基準値は0,05mmです)

◎ 右側のエンジンケース内にオイル量の目安があります。画像の中の「エ」の部分です。 このマークを見て給油します。

◎ 先程の「エ」マークを給油口から見るとこんな感じです。
「エ」マークの下端から上端までが約120㏄です。マークの先端が隠れるまで給油します。
(もっとも、この方式は認知度が低かったのか 後ほど、普通のオイルレベルゲージに変更 されました。
この、「エ」のしるしは残っていましたが)オイル給油量は、エンジン分解時で350㏄、通常オイル交換時で300㏄です。


● チョイノリは距離計が無いから・・・

と、冒頭でお話しましたが、説明書では6ヶ月毎にオイル交換となっています。でも、おススメは3ヶ月に一度がいいですよ。
一日、5~6キロを毎日走行するとして、6ヶ月で910~1092キロ走行したことになります。

つまり、1000キロに1回はオイル交換が必要なのです。
3ヶ月というと500キロか?・・・当然、一日の走行距離が多い人はオイル交換サイクルを 早める必要があります。


● 最後に・・・●

今回の不動車はエンジンオイル管理が悪くクランクシャフトのベアリング部分が、
軽い焼き付きが原因だったようで、クランクシャフト一式を交換しました。

修理に要した費用は、諸々必要パーツだけで16852円かかりました。
工賃は25200円、他エンジンオイルも含めて総額で42335円必要です。

この値段じゃ高すぎて中古として売れないし・・・今回は取材を兼ねて作業しました。
チョイノリは大きな修理をすると時価額より高い修理代となってしまうので、
大きな修理はせず、乗り替えてしまう場合が多い様です。

低価格販売車の悲しい運命ですね。 みなさんの中にチョイノリオーナー様がいらっしゃいましたら、
定期的なオイル交換を実施して いただき、末永く可愛がって頂きますように・・・ ^^)/   

おわり


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